きっとそこには、初めから何もなかった。 確かな繋がりがあると思っていたのは、僕だけだった。 目に見える証拠なんて、初めから何処にもありはしなかったのに。 それでも僕は、歩き出す。 別れたあの人との思い出を、胸に押し込めて。 一人きりで。 そこに、どんな現実が待っていようとも、またあの人に出逢えると信じて。 身が切れる程に冷たい、始まりの朝に。 ←もどる